起立性調節障害①

起立性調節障害は、自律神経(*)の機能が低下したために循環器系の調節が障害されて、特に上半身、脳への血流が低下し色々な症状があらわれます。

小学校高学年から中学生に多く見られます。

立ちくらみ、失神、朝の起床困難、午前中に調子が悪く午後に回復する、頭痛、腹痛、全身倦怠感、食欲不振、乗り物酔い、動悸、顔色が青白いなどの症状のうち3つ以上該当し、他の疾患が否定されれば起立性調節障害の可能性が高いと言われています。

これらの症状は健常な子どもでも自覚することがしばしばあります。

朝起きられない・調子が悪いことから学校に行けないことが続き、生活に支障をきたすようになってから病院を受診することが多く見受けられます。

起立性調節障害の症状は自覚症状がほとんどで、血液検査などの一般的な検査では異常が見つからないことも多く、不定愁訴と同じように扱われることも多いです。

病院における治療としては、薬物療法のほか、水分摂取や運動、起立する時は頭を下げてゆっくり立つ、ストレスコントロールなどがされているようです。

好発期である小学校高学年~中学生の時期は身体の様々な機能が大人へと変化していく時期でもあります。

真面目で気を遣い、ストレスをためこみやすい子どもが起立性調節障害になりやすいとも言われます。

周りからは怠けているように見えたり、親御さんが甘やかしていると指摘されたりすることもありますが、症状がひどく学校に行けない事を子どもたちは辛く感じていると思います。

午後からの登校、部活なら行けるなど、心の負担なく生活ができるようにまわりで見守ることも大事ですね。

(*)自律神経は、自分の意志とは関係なく、自動的に反応する神経であり、呼吸・体温調節・消化・排泄などの全身の器官をコントロールしています。

つづく

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